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お知らせ NEWS

2025年5月16日、アドバンスト テキスタイルズ協会ジャパンさんのスプリングイベントで「大阪・関西万博2025」の会場である夢洲(ゆめしま)を訪れてきました。会場全体には、最先端の建築技術と多様な表現があふれ、想像していたよりも非常に多くのテント膜材が使用されていたことが印象的でした。今回は、その視察の様子をご報告いたします。

会場中央に位置する「大屋根リング」は、世界最大の木造建築として注目を集めています。その中で、白色のテントが採光を目的として使用されていました。巨大な木造建築においても膜材が重要な役割を果たしていることに、改めてその汎用性の高さを感じさせられました。

大阪ヘルスケアパビリオンの屋根に採用されています透明フィルムは非常に透明度が高く耐候性にも優れた、高機能フッ素樹脂フィルムが使用されています。表面には水が均一に流れており、開放的で涼しげな雰囲気を開放的に演出しており、膜材の新たな可能性を強く印象づけるものでした。

飯田グループと大阪公立大学の共同出展館では、京都の伝統工芸「西陣織」をモチーフにした印象的なデザインが目を引きました。この複雑な形状で西陣織の柄を膜材で忠実につなぎ合わせている技術力には、業界関係者として大きな感銘を受けました。

開館が遅れていたインドパビリオンも多くの人で賑わっており、大盛況の様子でした。「蓮の花」をモチーフとしたその建物は、薄いピンク色のメッシュ膜材が柔らかく光を受け、美しく幻想的な雰囲気を醸し出していました。

ブルーオーシャン・ドームのパビリオンは3つのドーム型テントから構成されており、海洋ドームの屋根には透明で一枚物の不燃膜材が使用されているそうです。一枚物の膜材は非常に大きなサイズとなるため、設計・製造・施工のいずれの段階でも高い技術力が求められたと思います。

パソナのパビリオンでは、「アンモナイト」や「巻き貝」といったらせん形状から着想を得たユニークなデザインが採用されており、その造形美は一目見て来場者の視線を惹きつけるものでした。
非常に複雑な曲面構造を持つこのパビリオンは、膜材の柔軟性と軽量性を最大限に活かしながらも、高度な構造設計と施工技術によって実現されていることが伺えます。
私たち業界関係者の目から見ても、この形状を成立させるために携わられた方々が相当なご苦労をされたことは想像に難くなく、まさに“膜構造による芸術建築”とも言える作品でした。

落合陽一プロデューサーによる「null2(ヌルヌル)」と名付けられたシグネチャーパビリオンでは、なんとミラー膜と呼ばれる鏡のような膜材が使用されているとのことです。まるで金属のような見た目に、膜材であると知った瞬間は驚きました。

弊社も会場外にはなりますが、会場内へのスタッフの入場や物資搬入時に使用されるセキュリティーゲート用のテントをレンタルさせていただいております。パビリオンのテントのような派手な事は出来ませんが、本イベントに少しでも携われた事に感謝しております。

訪れた日は平日にもかかわらず、ものすごい数の人が来場されていて、どのパビリオンも多くの人で賑わっていました。様々な課題や困難が報じられてきた大阪・関西万博ですが、現地を訪れた今、建設に携わったすべての方々の並々ならぬ努力と情熱が形になっていることを実感する事ができました。私たちテント業界も、今後の活動や製品開発にこの経験を活かし、社会に貢献できる存在であり続けたいと強く感じた視察となりました。

※ 会場内へは食べ物やマイボトル、ペットボトルの持ち込みは可能ですが、缶飲料の持ち込みは禁止らしく、その場で飲むか廃棄となります。入場ゲートの検査で引っかかっている人を何人か見かけましたので、大阪・関西万博2025 夢洲会場へ行かれる際はご注意ください。